是非ご一読くだされば幸いです。
被災前後10年間の気仙地区の脳卒中動向と被災の脳卒中への影響
東日本大震災における岩手県立大船渡病院、および大船渡市/陸前高田市の災害保健医療活動の記録
非常事態は様々なモノが露になる事態でもあります。
岩手県は、今回のような大災害に対処する保健医療体制はしっかり備えられていませんでした。2009年の岩手宮城内陸地震を契機にそうやくそうした災害時医療の重要性にやっと気づいて、準備を行うための”災害拠点病院連絡協議会”を立ち上げ、私を含めた災害医療の数少ない専門家とそれに携わる立場にある者を参集、私の指摘で遅まきながらまず当県の最大の災害であり続けてきた”津波災害”への医療体制整備にようやく手を付け始めた、という状態にありました。県内各圏域、各病院などでの災害時への体制整備が少しづつ進みだし、さらに県内単独で対応不可能な災害状況への全国的支援体制の一環としての負傷者・傷病者の県外医療機関への搬送のための体制構築、それに必要な花巻空港の医療拠点整備・その活動のための体制も主導して2回の訓練も含め、国にもアピールを行ってきました。
このことは3.11に際し、円滑に稼働し、実際県外に傷病者を自衛隊機などで搬送可能ならしめました。
体制がしっかり整備できるまでまだ時間が必要であったところでしたが、そうした中、無い体制を、付け焼刃であわてて形のみ作るということをしたため、中心機関を自任する機関が、渦中で死に物狂いで毎日活動する現場に勝手気ままに指示をしてくるなど、準備してこなかった事を悪い形で露呈することが多々出来しました。
災害時の県と被災自治体の役割を今まで学習してこなかったための醜態と、現場に入った全国の支援チームの評価が的を得ていると思います。現場活動を人・モノ・システムなどで支援するのが都道府県の役割でしょう。
こうした被災後の活動が落ち着いてきた時期にだされたそうした機関などの活動記録などには、いっさいそうしたことへの反省はでてきません。なぜなのでしょう?まずかったことにほッかぶりするのみではなく、てにおはをうまく使って、それは違うのではと事実と明らかに違うことをそうでないように作り上げるのは大きな責任を負うべき機関の通弊なのでしょうか?そのようなことを指摘する者は
さっさと退場?こうしたことをうまく立ち回る者は出世? なにか世の中逆さまが普通?
なぜかこうした”まずいこと”は数多くあるのに、世の中に絶対といってよいほど明らかになることはありません。
誰かの悪口を言うのではなく、真摯にあったことを次に繰り返さないための問題提起なのですが・・・。
●大きな医療機関のトップの指示で、災害医療のことをなんら知らない方が、突然災害医療の新組織のトップにされ、その生真面目さから悩みぬいて自らの命を絶つ。
●現場に一切タッチしない方が、さもすべてを知っていて、現場をコントロールした、など現場からみれば、空想の話をマスコミに発信する。マスコミもしっかり裏を撮った形跡はない。こうしたことは法的に問題ありはしないのか。
●被災地内病院の被災時の責任者が交代後、仮設住宅などをはじめ、被災者のみならず、関連する保健医療問題に、関わってほしい、との声を無視したのかまったく反応しようとせず。被災から何年も現場に関わり続けたモノを公私混同し、なにを思ったか公的に罰する。さらに輪をかけて被災地内病院が全力で活動し、その記録を病院として作成し病院ホームページにアップしていたが、その記録さえ後から来た活動しない者として?抹消してしまう。それでいて、100%矛盾する「皆でしたことだろう?!」と自分も仲間である、と言う。こうした非常に疑問どころではない支離滅裂なこと、をその監督機関は受動的に後押し。意味不明です。
●被災地と離れている中央は現場の中に常に目を向けない、人もそのような視点で見に来ることもない。
●現場の地域医療を守るべき〇〇会トップが、全国から地域医療をなんとかもとに戻すため支援に来ている中、現場を放棄。
以上の事柄などは、3.11後何回かの災害を経ても、残念ながら変化は見えないものが多いです。
これが大災害時の巨大な数の死者、被災者の支援活動の裏側の真実・・・。
これでは、「俺たちはやった!」という虚構を堂々と押し通し無かったことをあったことにしようとする肩書を持つ者と、そうしたことを知らずに、必要な支援が受けられない所に立ち続ける多くの被災者。このようなことはいつも現場の中にいるとよくわかりますね。
今後もこうしたことは永遠に続いていくのでしょう、と思うととても悲しくなります。
いづれにしろ、事の検証というのは、こうした目を覆いたくなるおかしなことにも真摯に目を向け、こういうことが起きないようにするには、とか、遭遇したらどうするかをあらかじめ考えておくことも重要ではないでしょうか。
これからはこうした視点を持つ方が、しきりを行うことを強く祈念してやみません。
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